「ご案内」   ―夢見荘女将・ミメイより―



「この家に泊まると、いっつもオカシナ夢を見る。
 きっとミメイの夢があたしの夢に流れ込んでくるのよ」
と、友が言ったことから、我が家には「夢見荘」という名がついた。
(たしかにあたしは夜毎おかしな夢を見るけれども)
その「夢見荘」の亭主ミメオは、自他共に認める料理好き。
しかも、すこぶる腕がいい。
たぶんそれは生まれ持ったセンスゆえのことなのだと思う。

たとえば、日々料理をするヒトならたいていは、
シチューをことこと煮込んでみても今ひとつコクがないとか、
サラダのドレッシングの味が今ひとつ決まらないとか、
今日の炒め物はどうもぐったり元気がないとか、
そんな経験をしばしばしてるはず。
あたしがまだ懸命な主婦だったとき(過去形かい)、
そんなことがあるたびに、シゴトから帰ってきたミメオに味を見てもらうと、
彼は即座に足りないものを言い当てるのだった。
塩をほんのひとつまみ、とか、砂糖をぱらり、とか。
たったそれだけのことで驚くほど味が変わる。ピシリと決まる。
その「たったそれだけのこと」というのが、
フツウの主婦であるあたしには、思いもよらないものであったりしたのだ。

そんなわけで(どんなわけだ)今や我が夢見荘の料理は、
ひとえにミメオにまかされている。
日々のゴハンも、客人をもてなすご馳走も。
和・洋・中、エスニック、なんでもこい、という頼もしさである。

このブログに書かれている料理は、
誰もが知っている食材で、どこの家でもお馴染みのメニューが多いと思う。
が、しかし。
あなたが作る日々のゴハンとは、どこかチガウところがあるのでは。
それは、とても何気ない小さなことだったりするので、
そうとは気づかないまま通り過ぎてしまうかも。
たとえばサラダを作るのに、トマトだけ別に味をつけておくとか、
魚介類にだけ先にレモンを搾っておくとか。
その小さな相違点が、実は大きなポイントなのだ。
ぜひそのポイントを探してみてほしい。
きっと、あ?と思うことが見つかるはず。

とはいえ、本人は
そのうちレシピじゃなくて別のカキモノになっていきそうな気がする、
なんてことを言ったりしてるので、
美味しさの秘訣を盗むならぜひお早めに。

それと。
夢見荘亭主はWEBシャイなので、
(いや実際の彼はヒト好きハナシ好きの明朗快活な輩なのだけど)
コメントへのお返事などはあたしが代弁するやもしれず。
でもご意見感想やTBなどはとても嬉しいので、どうぞお気軽に。
もちろんレシピに関する質問なども、どうぞ。

ではでは、ごゆるりとお楽しみくださいませ。