「これは美味しかった!」が不思議な方向に盛り上がったところで、
がらりと変わってご当地料理。
先ずは「お好み焼きを」と思ったんだけれど、広島県人と大阪府人
(そんな言い方するのかな)の間に戦いが勃発しても困るので、
ここは無難に長崎料理から。

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ちゃんぽん

僕の戸籍は今は東京の杉並にあるのだけれど、もともとは長崎。
父の生まれ育ったのが長崎県の北松浦郡というところで、僕の
戸籍も生まれてから二十数年そこにあった。
九州に住んだことはあっても福岡県。長崎には葬式と修学旅行で
行っただけで僕にとって格別の土地というわけではなかった。

大学も就職も東京だったから謄本とか抄本が必要なときには
郵送してもらっていた。
「面倒だから戸籍を東京に移すよ」と言ったとき、父は即座に
「いいよ」と答えてくれたのだけれど、今から思えば少し寂しかった
んじゃないだろうか。息子が完全に自分の手元から離れていく、
そんな気持ちを持っていたのかもしれない。

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皿うどん
偉そうに「長崎名物」なんてタイトルをつけたものの、何しろ
住んだことのない「長崎県人」だったから、知っているのは
ごくありふれたものだけなんです。

ちゃんぽんは冷凍モノ。
麺と具とスープの素が入っていてこれを鍋に入れて温めればいい
のだけれど、ウチではそれに豚肉、人参、ネギ、白菜を追加して
作っている。まあ、これはこれで立派に「長崎」ですね。

皿うどんは麺とスープの素が入っている袋のモノ。
「皿うどんの歴史」なるものによると、皿うどんには、「油揚げした
細麺とちゃんぽん麺を炒めて作る太麺の2種類があり、最初は
太麺だった」そうなのですが、ウチでは細麺の方。袋には「長崎
ちゃーめん」と書いてあるから、細麺はそう呼ばれているのかな。

具は豚バラ、サツマ揚げ、人参、ネギ、チンゲンサイ、もやし、
シイタケ、うずらの卵。これを炒めたところに水で溶いたスープ
の素を入れてクツクツしたら麺の上にかける。これはなかなかの
ものです。ウチのお気に入りの「ちゃーめん」は「ヒガシマル」と
いうところのものなんだけど、住所が鹿児島県になってる。
「長崎の味」って書いてるのに。納得がいかない。

これ以外で知っている長崎モノは、カステラでしょ、ザボンでしょ、
それから、あご(飛魚)の干物。
これは固くて固くて、新聞紙にくるんで金槌でたたいてバラして
から食べるんです。ホントですよ。オヤジがそうやってましたから。